こんにちは。株式会社DrecomでAI推進を担当しているAI部の吉富です。

本記事では、私たちDrecomが全社的なAI活用を促進するために行っている、イベント運営ツール環境整備という2つの軸での取り組みをご紹介します。

AIを一部の専門部署だけでなく、全社員が当たり前に使いこなすカルチャーをどう醸成していくか、少しでも参考にしていただける部分があれば幸いです。

1. 事例の横展開と相談の場を創出する「AI DAY」

まず、ソフト面でのアプローチとして、隔週で「AI DAY」という社内イベントを開催しています。
このイベントの主な目的は3つです。

  • 社内で利用可能なAIツールの紹介・アップデート共有
  • 部署横断での具体的なAI活用事例の共有
  • AI活用の個別相談・壁打ち
このイベントで私たちが最も重視しているのは、「効率化」というスペックの話ではなく、「ワクワク」という体験価値を伝えたいという想いです。
例えるなら、まだスマートフォンを使ったことがない人に、CPUやメモリの性能を語るのではなく、「このゲームが面白いよ」「このアプリで仲間との会話がもっと楽しくなるよ」と伝えるアプローチに近いかもしれません。

そのため、この場で共有される事例は、「〇%業務効率化」といった指標だけでなく、「AIを使ったらこんな面白いものができた」「面倒だった作業が、まるでゲームを攻略するように楽しくなった」といった、作り手の「ワクワク」が伝わるような内容を大切にしています。

この”楽しさ”の共有こそが、他の社員の「自分も何か作ってみたい!」という自発的な意欲を引き出す最大のきっかけになると、私たちは考えています。

2. 多様なニーズに応えるためのAIツール環境

イベントによる意識醸成と同時に、社員がすぐにAIを試せるハード面、つまりツール環境の整備にも力を入れています。
私たちは、目的別に複数のツールを提供することで、多様なユースケースに対応できる体制を構築しています。

  • ai and
    位置づけ: Drecom独自の課題に対応する自社開発ツール
    汎用ツールではカバーしきれない、当社特有の業務やデータに特化したAIツールです。ゲーム開発を中心とした社内プロダクト開発を支援しています。
  • Gemini
    位置づけ: 全社員の基本的な生産性向上を担う汎用ツール
    Googleの高性能な生成AIです。文章作成やアイデア出しなど、あらゆるシーンでの利用を想定し、まずはAIに触れてもらうためのベースツールとして提供しています。
  • Dify
    位置づけ: 現場主導でのAIアプリ開発を促進するノーコードプラットフォーム
    プログラミング知識のない非エンジニアでも、独自のAIチャットボットなどを構築できるのが特徴です。「現場の課題は現場が一番よく知っている」という考えのもと、各部署が自律的に業務効率化を進められる環境を目指して導入しました。
  • n8n
    位置づけ: 既存業務プロセスへのAI組込みを加速するワークフロー自動化ツール
    AIを単体で使うだけでなく、各種SaaSと連携させて業務フロー全体を自動化するために提供しています。これにより、AI活用を一過性のものから、持続可能な業務プロセスへと昇華させることを目指します。
  • その他にも
    claude code, github copilot, devin, figma make,等、開発現場からのニーズに迅速に対応し、気軽な活用テストの機会を提供できるよう心がけています。

まとめ

本記事では、DrecomにおけるAI活用推進の取り組みとして、「AI DAY」によるカルチャー醸成と、目的別のツール環境整備についてご紹介しました。

AIの全社浸透は、単にツールを導入するだけでは実現しません。地道な情報共有や成功体験の横展開といったソフト面の施策と、それを支える使いやすいハード面の環境整備。この両輪で推進していくことが重要だと、私たちは考えています。

この記事が、何かしらのヒントやご興味を引くものになれば嬉しく思います。