リモート勤務でもあきらめない新卒研修のすゝめ

こんにちは。Tech Inside Drecom編集部です。
今年はちょうど新卒社員の入社タイミングとなる4月ごろから、緊急事態宣言の発令もあり、ドリコムでも新型コロナウイルス感染症対策のためリモートによる勤務体制が整備されました。
本稿では、リモート勤務という特殊な環境下でどのように新卒研修を行っていたかをインタビュー形式でご紹介していきます!

新卒研修の内容について

Tech Inside Drecom編集部(以下 編集部):
 よろしくお願いします!
 今年度の新卒研修ですが、まずはどのような内容だったかお聞かせいただけますか?

ドリコム人事部 永野(以下 永野):
 よろしくお願いします。
 新卒研修では、まずは会社に対しての理解(戦略やMVVS、組織理解や職種理解)を深めてもらうカリキュラムを行います。その後職種に拠らない敬語などの基本的なビジネスマナー、googleスプレッドシートやPPTの使い方、就労規則などの読み合わせに加えて、2020年度は大きく分けて下記の3本立てでカリキュラムを組んでいます。


 以降は配属に向けた職種・個人別の対応となっていきます。

編集部:
 例年ではみられなかった研修もありますね。
 全社的なリモート勤務が開始されたのが4月の中旬ごろからでしたが、研修にはどのような影響がありましたか?

永野:
 そうですね。まずそもそも5月初旬の配属予定だったのですが、それが後ろ倒しになっています。
 また、毎年ビジネスマナー等の研修の後には恒例で合宿研修の予定があるのですが、緊急事態宣言の発令により当日に急遽中止になりました…。
 その他にも、社員総会後におこなう予定のカリキュラムが、社員総会自体が延期になったことで行えなかったりと、その都度カリキュラムの変更には苦労しましたね。

編集部:
 3月下旬ごろからリモート勤務の可能性は示唆されていましたが、実際のカリキュラム変更等の対応は全社的な方針に合わせて柔軟に対応されていたんですね。
 かなりスピード感が必要かと思うのですが、カリキュラムの組み直しの際に心掛けられていたことはありますでしょうか?

永野:
 取り急ぎ、新卒の皆さんの手が空かないよう、参考書籍の読み合わせ→発表や、弊社社員総会では社長がゲストと対談をするのですが、過去の対談を視聴してもらい自分たちだったら誰を呼びたいかを意図を含めて考えていただいたりなど、リモートで可能なカリキュラム内容の検討を行いました。
 それらのカリキュラムと並行して4月後半以降のプログラムを一通り構成し直していました。
 カリキュラムは極力、ただただ聞くだけにならず、その都度アウトプットができて、後々振り返ることができる内容を心がけています。

編集部:
 確かに実践が伴う研修が多い印象ですね!
 PCのセットアップやソフトウェアの貸与など、各種作業環境等の調整はどのように行なっていましたか?

永野:
 そうですね、幸いPCの貸与は完了していたのと、全員の家にWi-Fi環境があったので、環境面でのサポートには特段苦労していませんでした。
 これはわたしも含めてなのですが、自宅では通信が不安定になることもあるので、その場合は遠慮なく言ってね~くらいでしたね。笑

編集部:
 もともとのカリキュラムの時点で早い段階から実作業の準備はされていたんですね。

スクラム研修

編集部:
 では、続いて「スクラム研修」についてお伺いしたいです!
 どういった目的で行われた研修だったのでしょうか?

永野:
 もともと、研修のはじめの方にチームビルディングについて学ぶマシュマロチャレンジ等を行なっていたり、昨年の新卒にヒアリングをした際に「詳しくは現場配属後で良いけど、スクラムをまったく知らない状態で入るのはすこし辛かった」という内容があがったことから、「スクラムについて」のワークを研修内で行う予定ではありました。

編集部:
現場に実際に配属された新卒社員の意見が反映されているんですね。

永野:
 はい。それで、緊急事態宣言により急遽合宿がなくなり、そこのスケジュールが空いてしまったタイミングで、取り急ぎその2泊3日分のカリキュラムをどうしようかを検討していた際に、課題図書をお渡しして各章1名担当し、その章の内容を読んでない人にもわかるように発表してもらおうという内容のカリキュラムを設定することにしまして。
 その記念すべき最初の書籍として、スクラムについて学ぶときに社内で広く読まれている「スクラム-仕事が4倍速くなる”世界標準”のチーム戦術」を選定しました。
編集部:
 私も読みました!確かに、初めて触れた時は、なかなか難解だった記憶があるので、他の人と読み合せられると安心ですね…。
 特に、現場配属前だと想像がつきづらいのではと思うのですが、研修でスクラムを学んでもらうにあたって気をつけていたことはありますか?

永野:
 細かい部分は実際にやってみないとそもそも理解出来ないものだと思っていましたし、その必要もないと思っています。習うより慣れよですしね!
 なので、スクラムというのがつまり何を大切にしているのか、がふんわり伝わるといいなと。
 あとは、このカリキュラム自体はスクラム研修というよりは課題図書の研修なので、内容の理解もそうですし書籍要約にあたり工夫したことや資料作成で工夫したことなど、アウトプット物のクオリティにも注意してもらいました。
 そのなかで、書籍を読んで今後の自分or20新卒チームに活かせそうなこと、という点を作成いただき、その時点での自分たちが取り入れられる部分を意識してね~といった感じで割とラフに行っていましたね。

CS研修

編集部:
 続いてはCS研修についてお伺いします!
 今年初めて実施されたカリキュラムとのことですが、どのような目的・経緯で導入されたものでしょうか?

永野:
 CS研修は、BtoC 事業が 8~9割を占めるドリコムに入社する上で、ユーザーの声にちゃんと耳を傾ける機会を早めに設けられたらよりいいものづくりにつながるよね、という狙いで研修に組み込むことになりました。
CS対応のケーススタディ例
編集部:
 研修レポートを見ていて思ったのですが、プロジェクトの実際のCS対応やデータも取り扱っていて、配属前から現場やお客さんの温度感を肌で知ることができそうですね!
 こちらの研修はリモートでの開催にあたって何か対応はありましたでしょうか?

永野:
 もともとプログラムには組み込む予定で、リモート勤務への移行に伴ってワーク形式の研修を講義形式へ変更するなどの対応はあったものの、事前に講義担当の皆様へリモートでの実施が想定される旨を伝えていたため、スムーズに実施することができましたね。

社内報制作研修

編集部:
 つづいて、社内報制作研修についてお伺いします。
社内報の新卒研修記事特設ページ
ドリコムには社内からのみアクセスできるWeb社内報がありますが、今回の研修のレポート記事が特設ページに掲載されていました。
 こちらの記事制作がカリキュラムのひとつとのことですが、どういった目的で導入されたものだったのでしょうか?

永野:
 実際にものづくりをする経験をしてもらいたいのと、やりっぱなしにならないよう、研修全体の振り返りも目的としています。
 あとは、リモート状況の中でドリコム社員に20新卒のことを知ってもらう機会を自分たちで作ろう、という意図もあります。

編集部:
 確かに、例年の新卒研修では実際に同期メンバーと一緒にものづくりをする機会や、成果物発表の場が社内でも設けられている印象です。
 チームでのものづくりが未経験の人も多い中、新卒のみで役割の違う人同士が分担をしてものづくりをするのは、非常に貴重な経験で、その分かなり難しかった記憶があります…!どのような視点でアドバイスやFBされていましたか?

永野:
 今回は自分たちの受けた研修を記事化する、ということで全員に共通体験があることは例年との大きな違いだったのではないかと思っています。わたしは自分からガツガツアドバイスをするというよりも、実際の業務に近いイメージで、月並みですが「報連相」をまず自分たちから動いておこなう必要がある、ということを強く話していました。
 ネチネチ、に近いかもしれません笑
 そのなかで、スケジュール感があまりにも無理があったり、大切なことが事後報告になっていたり、相談がなく違う方向に進んでしまっていた時に、都度指摘をしていました。
 記事のクオリティに関しては、普段のWeb社内報の更新を担当されている河村さんにレビューをお願いしていました。

編集部:
 ネチネチ言えるくらい見てくださる方がいる中で、色々実践したり時には失敗もできてちゃんと指摘がもらえる機会って貴重だと思います…笑
 記事執筆のチーム運用は、研修で学んだスクラムで行っていたのでしょうか?

永野:
 記事執筆のチームはスクラムでの運用は避けています。
 理由としては、スクラムが記事の執筆に適さないことと、スクラム未経験の人員で運用してしまうと、独自の運用になってしまう恐れがあるため、実践はスクラムの運用に慣れている現場に入ってからにしてもらう方が安全だと考えています。
 とはいえ、スクラムの根底にあるアジャイル開発的な考え方をもとに、短いスパンで形にしてFBを反映していくことは意識して進められていましたね。

編集部:
 CS研修の記事などは私も馴染みが薄かったので、大変参考になりましたし、新卒の皆さんの感想が一緒に書かれているので人柄がよくわかって良い記事でした!

そして配属へ…

編集部:
 最後に、研修を通して人事部で重視されていたことなどお伺いできればと思います。

永野:
 はい。人事部では、新卒研修の際に現場にとってどういった人材になってもらえるか、特に今回だとリモートの環境下でどういう形でサポートできるかの話し合いを多く行なっています。
 今回の新卒研修では、


上記を特に重視していましたね。
 配属の段階で20新卒が「この人が信頼に足る人材だ」と思ってもらえる状態となることを意識していました。
研修を通してのまとめ
編集部:
 インタビューは以上になります、お時間いただきありがとうございました!

永野:
 ありがとうございました!
人事の方の尽力と、現場のメンバーの協力もあり、特殊な環境下ながら無事今年度の新卒研修も完了いたしました。
未だ新型コロナウイルス感染症は予断を許さない状況ですが、新卒社員は5月中旬ごろから、現場に配属となり活躍中です!
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