はじめに

これは、ドリコムAdvent Calendar 2021の6日目です。
5日目のわたなべけんとさんによる「アプリのログを整形して運用を効率化する話」はこちら

自己紹介

はじめまして、ゲームプロデューサーのむらおです。
2013年に新卒で入社して以降、いろいろなプロダクトを経験してまいりましたが、
直近はIPタイトルのプロデューサーとして丸3年となり、もうすぐ4年目を迎えます。
長期運営ゆえの色々な学びや挑戦を続けているところで楽しい日々を送っています。

本日は、プロデューサーとして渉外活動をするにあたって
テレワーク下において個人的にめちゃくちゃ気を使ったひげ(または絵面)の話
をエッセイ的に記したいと思います。

コロナ渦におけるひげが濃く見える問題

お知り合いの方はご存知だと思いますが、シンプルに私は髭が濃いです。

かつて、特定の目的を達する上で技術選定次第で将来にいろいろな余波を生む、
という話をブラウンとフィリップスのシェーバーをアナロジーとして
社内LT※をしたほどには、ひげ剃り諸問題に一家言のある人間と自負しています。

※ ブラウン製品は水平方向に刃が動く構造となっていることから、刃が最終端に達する瞬間に物理的に必ず刃が停止する間があります。
つまり、その間に移動した肌の上には剃り残しが起きうる技術的・物理的制約を抱えています。一方で、フィリップ製品は回転刃を採用し
その結果、終端の概念がなく、刃が停止する間がないことから、原理上は常にひげを剃り続けるという点に技術的特異性、優位性があります。
これにより、ブラウンは剃り残しの極小化のために、3枚だ!4枚だ!と刃を増やしまくり、止まる時間を減らすために高速に刃を動かしまくり、
音波を使ってまでひげを立たせる、といった絶対に発生する弱みを打ち消すためのつらい戦いに身を投じていくことになります。
最終的にはその苛烈な追求ゆえに「深剃りを売りにする」というブラウンの強みとして結実するまでに至り、個人的には尊敬の念を抱くのですが、
髭を剃るということだけでも選定した技術(方式)によって、ネガポジ含めて大きな余波が生まれるというアナロジーだとおもっています。
ちなみに、なぜか両者の電動歯ブラシを比較すると、ブラウンは回転式、フィリップスは水平方式を採用していておもしろいです。

そんな私に突如降りかかった新たなひげ問題。
それはコロナ渦におけるテレビ会議によって、ただでさえ濃い目のひげが
実際よりもめちゃくちゃ濃く映るという問題
です。
しかも、その生え方が昨今関東では見かけなくなったカールおじさん的なもので
シンプルに言ってあまりきれいな絵面ではないのです。

まして、自己紹介で述べたとおりアプリの名前を背負って渉外活動を行う役職から、
顔はいじらないにせよ、不快感を与える絵面になるとしたらはそれなりに問題であり、
どうにかして最低でも清潔感っぽいものは醸し出したいのです。

コロナウイルスはいびつな社会構造や弱者に対して大変な影響を及ぼしましたが
人知れず個人的重大事項である私のひげ剃り問題も再びクローズアップされたのでありました。

なぜテレビ会議で髭が濃く映るのか

そもそも、なぜ髭が濃く映るのかということを解説すると、
テレビ会議などで使用するインカメ(特に性能が悪いもの)は
解像度が低いにもかかわらずそれっぽくくっきりと出そうとする関係から
シャープネスとコントラストが強調されやすい性質を持つものが多いようです。

肌とひげの境界がより明確になるというシャープネスの問題と
濃いものをより濃くみせるよう調整されたコントラストにより濃淡が強調され
結果として薄っすらと青くなっているひげがたいへん濃くしっかりと見える、
という悲劇が呼び起こされているようです。

現在業務で使用しているMeetにものちのち美肌モード的なものが搭載されましたが、
パンデミックによるテレワーク導入時にはまだそんなものは搭載されておらず、
ひげ問題に加えて自身の老いや、怠ってきた積年の肌ダメージをも眺めながら
業務せなばならないという状況に追い込まれたのでした。

消し飛ばしてしまえ!「鈴木その子作戦」

上述のとおり、シャープネスとコントラストが問題であるとわかった以上、
一定の強さを放つ光源を顔に当てて白飛びさせてしまうというのが一時対処でした。
30代以上の人ならきっと思い出す、故鈴木その子女史も活用していたあのプロの技です。

いい機材はないので中学まで使っていた学習ライトを顔面に照射する、
という荒業ではありましたが、ひげだけでなく目の隈や
なんとなく赤みを帯びたニキビ跡も吹っ飛ばす
という思わぬ収穫を得ました。
多少くたびれていても、それなりにくたびれた顔ではなくなるのです。

現在、テレビ会議中に照明を使っていない方がいらっしゃれば
ぜひ使ってみると良いのではないかと思います。

その後、私はこれに気を良くして「やはりプロの技というのは確かであるな」と機材にこり始めます。

時代はHD画質だ!

前述の通り、性能の低いインカメはチューニングの影響から
シャープネスとコントラストが強調されています。

ならば、HD画質による繊細な撮影が可能な”プロっぽい”機材に変更したら
よりナチュラルなわたし、ありのままの私が相手に届くのではないか
という仮説のもと本当の私デビューと言わんばかりに
別にイケメンでもないのに今度はカメラを良いものにすることにしました。
これはネガポジともに意外な効果を生みます。

まず、ポジティブな面として、解像度が低いとなんとなく
ブロックノイズ的に処理されていた部分が鮮明となり、
青ひげっぽくみえる領域が低減した
のです。
ここまで来るとなんとなく「芸能人がどーらんを塗りました!」くらいの
ひげのカバー力を発揮してくれるようになります。

そしてネガティブな面として、白髪が目立ち始めたのです。
1080pというHD画質は、残酷にも生え始めた若白髪を鮮明に捉えたのでした。

重なる悲劇…

今までさほど意識していなかった若白髪をまざまざと突きつけてくる状態への
対処を検討しているうちに、髭剃りも壊れてしまいました。
就活を機に入手したそこそこよいブラウンの髭剃りで10年連れ添った仲ですが、
その別れはあっけなく、突如ミューンという鈍い音とともに事切れたのでした。
時の流れはあまりに残酷です。

わたしはブラウンの深剃りへの信頼感から今度は最上級モデル(6万円)を手に入れたのでした。
その剃りあじたるや、優雅かつ高速でシェーバー界のポルシェのようでした。
深剃りなのに肌に優しく、もう廉価モデルには戻れないほどです、大変満足しています。

突きつけられるコスパ、そして…

しかしここで2つの疑問が浮かぶのです。
「10年おきに6万円もするシェーバーを買い替えていたら死ぬまでいくら掛かるのか」
「そもそも、わたしはこの濃い髭を剃るために今後どれくらいの時間を使うのか」

突如去来した疑問に私はエクセルで計算せずにはいられませんでした。

ざっくり80歳くらいまで社交的に過ごすとして、毎日ひげを剃るとしましょう。
その場合、現在31歳のためシェーバーはあと5台購入しそうです。
そして、2年おきにおよそ2万円ほどする替刃も購入しそうです。

すると、新品を購入する場合は替刃を買わないとしても
シェーバー1台あたり4つの替刃を購入し、それを5周することになります。
つまり、このさき、およそ70万円程度をシェーバーに費やすのです。
この時点で、中古の軽自動車くらいならかえてしまいそうです。

さらに、毎日10分髭剃りをすると仮定した場合、
私は余生のうち17万8850分を髭剃りに費やします、その時間6.2人月分です。
人月単価90万円としたら、前述の購入費用とあわせて630万円程度の経済損失です。
愕然としました。わたしは人生でここから630万円も損失を抱えたくないのです。

事ここに至り、Instagramで流れまくっていたヒゲ脱毛の広告が走馬灯のように蘇りました。

そして導かれた結論は、
「今後3年間で8時間と20万円を費やしてヒゲ脱毛を行い、
それによって回避された損失で美容室で白髪染めする」
というものです。

ヒゲ脱毛も馬鹿にならない時間と金額ではありますが、経済的な比較をすればヒゲ脱毛一択でした。
そして、償却の概念に基づけば人生のもっと早い段階でこの結論は導かれるべきものでした。

強引なまとめ

つまり今回のひげとの戦い及び絵面改善の経緯をまとめると下記のようになります。

  • 鈴木その子女史のようにライト照射による白飛ばしはめちゃめちゃ効く
    • ニキビ跡など、ひげ以外も吹き飛ばしてくれるので導入しよう!
  • HD カメラは諸刃の剣だった
    • ブロックノイズ低減と引き換えに高精細に白髪が送出されたぞ!
  • 生涯に渡ってひげに総額600万円オーバーの価値を見いだせるか考えよう
    • 価値が見いだせないと思うならヒゲ脱毛がおすすめだぞ!
    • 浮いたお金で白髪はさっさと染めるのが精神衛生にいいぞ!
    • 決断が早いほど経済的なコストベネフィットは高まるぞ!

改めてなんでそんなに絵面を気にするのか、と言われるような気もしますが、
テレビ会議で自分の(汚い)絵面が見えてしまって、シンプルに気持ちが下がるからです。
なにわ男子の道枝くんのような顔であればむしろ仕事がはかどった可能性もありますが、
残念ながらそうではないし、相手もいることなのできちんとしておきたい。

イケメンでないにせよ、あまりに汚い絵面では自分も相手も気分よく仕事できず
業績への影響もでるような気がしなくもなくもないのです。

ここ2年ほどそれなりの頻度で自分の顔面を突きつけられ続けることで
あまり意識してこなかった自分を意識するきっかけになりました。
コロナによるパンデミックで失ったものはそれなりに多かったのですが、
コロナをきっかけとして自己を再認識する経験は数少ない得たもののひとつでした。


結果的に前よりも身なりを意識するようになり、
「よくもまぁ前はこんな格好で、、、」と思っている昨今です。
実際、男性美容業界もコロナ渦で業績を伸ばしている業界の一つらしく、
否応なしに何かを突きつけられた人が多かったのかもしれません。

そして次の戦いへ

つぎは、たるんだアゴを改善するための戦いが始まります。

無駄な時間とお金を費やして得た脂肪を落とすために
無駄な時間とお金をかけて食事に気をつけたり運動するという
戦争の次に愚かな行為に挑むことになります。
ダイエットはまるでシーシュポスの神話です、どうしてこうなった。

サンタさんに今一番願うものは来年の今頃にはこの努力が実を結び、
良きご縁につながっているということです。
サンタさんなにとぞよろしくおねがいします。

これにて、私のアドベント・カレンダーは以上です。
どなたかの参考になれば幸いでございます。

明日のアドベント・カレンダーは!

眞﨑淳さんによる記事です、お楽しみに!
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