これはドリコム Advent Calendar 2016 8日目です。
ドリコムにてシナリオの演出を考えたり、アニメーションを作っております、村松健太です。
今回は業務と全く関係なく、自主で作っている映画について書いていこうかなと思います。
でも、シナリオ制作しているので、ちょっと関係あるようなないようなないような。
用意するもの
- 資金→5万円
- 持ち物→PCと5万円、図書館のカード
- 心→やる気・コミ症と闘う心
フロー
Step1: 企画を考える
自主なので好きに考えましょう。誰にも怒られないので。
締日もないしフリーダム。
考える際の参考になるのは、同じ境遇で作られたであろう自主制作の映画。
YouTubeとかVimeoに無数に転がっているので、参考にすればいいかも
中には、すぐに作れそうな規模感のものも一杯転がってます。
ただ、コンペ狙いたいとかあるなら先にコンペによってはレギュレーションがあるので注意。先に調べてから企画を建ててください。
夢を抱いて自由に考えましょう。
規模感とか分からない方には下記くらいの企画がおススメ。
詳細なスケジュールとか予算の見積もりは脚本出来てからにしてください。
今はただの目安。
作品時間
10分くらい
※10分くらいの作品くらいだと設定にもよりますが、だいたい一日で撮れます。
スケジュール
締日をだいたい3か月後に設定。
理由は短いと出来ないし長いと飽きるので。
そして、とりあえずコンペに出すのを目標にして、そのコンペを締日にしましょう。
制作する日から丁度3か月後くらいのコンペを適当にチョイスして目標にするとよいです。
理由は、根拠のない締日はズレるので。
※コンペの情報はネットに無数に転がっているのでそれを見てください。
テーマ
適当に決めて下さい。後付けでも可。
なくてもいいですが、手伝ってくれる人&見た人に絶対に聞かれるので設定しといたほうがいいかも。
人は「この作品のテーマはなんですか?」と滅茶苦茶聞いてきます。そして「ない」と答えると「時間返せや」的な顔をします。
コンセプト
作品を作りながら固めていくと、ブレまくりグチャグチャな化け物みたいなものが出来上がる確率が上がるので、せめて「自分が何をしたいのか」くらいは決めといて下さい。
河原でブルースリーのマネをしたいとかでも可。
※誰かに手伝ってもらいたい場合は設定しとかないとダメです。
予算
5万円くらい。この段階ではもろもろ全部込みでこの予算以内に抑えるものを作ろうという目標設定という感じです。
機材とか役者さんの費用は???ってなる人がいると思いますが今は考えなくていいです。
Step2: シナリオを書く
シナリオの書き方は無数にネットや書籍などで転がっています。
ハリウッドの脚本メソッド的なものがあり、ある程度ロジック化されているのでそれを読んでおくといいかも。
で、ここで「持ち物」の図書カードが活躍。
おススメは→「SAVE THE CATの法則」「スクリプトドクターの脚本教室・初級篇」
※おススメのがなくても似たようなものが図書館に置いてあるので借りて読んでください。
ただ、巷に転がるシナリオのメソッドは30分以上くらいの中編~長編の作品に必要なものなので1短編を作るなら参考程度で大丈夫です。
短編作品は、シナリオとかなくても1つのアイデアからのみでも作品が出来るものなので 。
※不要な登場人物と不要なシーンなど削りまくって下さい、5万じゃ撮れないので。
勿論、削る基準は、企画でたてたテーマ・コンセプトに対して不要か否かです。
図書館に映画とかアニメのシナリオとか書籍化されてるものは結構置いてあるのでそういうの読んでおくのも参考になります。
イメージボードとか描けるひとはかいていいかも
Step3: シナリオからいるものリストを作る、そして予算を割り出す
役者さんとかスタッフとか撮影機材とかどうすんだよって先ずなると思いますが、ご安心下さい。
今は便利な時代なんで、募集サイトとかSNSとかで募集すれば結構人が来ます。
特に役者さんは自分が主演の映画となるとかなりフックが強くなるっぽく、報酬を無料にしても思っているより人が来ます。
また、スタッフの方も、下記の順で集まりやすいです、集まってくれるのは大概学生さんです。
カメラマン)≫作曲>照明>>>音声 音声さんはプロの現場でも少なく助けが借りれるとラッキーなレアキャラです(SRくらいのレアリティ)
そしてなんと、スタッフの人はちゃんと自分で機材を持っているのでカメラ代とか浮きます(やったぜ)!
募集時に機材お持ちの方歓迎とか書いておけば、機材を持っている人をサーチ出来るのでおすすめです。
知らない人が怖い人は、手伝ってくれそうな人(大昔に貸した恩がある、地元の後輩、すごく優しい人etc)を探してください。
上手くスタッフが募集出来なかったり、カメラは自分でやりたいという方は機材レンタルしてください。
だいたい安いビデオカメラとかなら一日で三千円で借りれるので2日くらい借りて一日練習してもう一日で本番撮影すればなんとかなります。
で、一緒にカメラにセット出来るタイプのガンマイクも借りといてください。音が格段に良くなります。
※最初は一眼で撮ろうという硬派な考えは一旦捨てといた方が吉です。
そして脚本から、ロケ場所を探します。
実はロケ場所が一番探すのが大変です。サイトに載っているような撮影用に貸してくれると銘打っている場所は高額な値段設定をしているところが多いです。ヒドイです。
経費節約のために基本は直談判になります。
ここで、シーンの場所を道路とか喫茶店とかコンビニとか病院とかコンサートホールにしているとロケ場所を探すのが大変になります。
上記で、人件費・機材費・場所代がだいたい判明したと思います。
で、当初の設定していた予算からオーバーした場合、必要ならシナリオ変えてください。
大体、シナリオの初稿は「僕は幻を見ていたんだネ」となります。
二稿目は現実に沿って粘り強く考え直しましょう。ここで嫌になり辞めたくなります。ここが峠です。
セットとか作り出すと5万じゃすまなくなるかもしれないですね。
Step4: シナリオから撮影プランを立てる
当日急にノープランで撮ると死が待っています。
そうならないために、絵コンテを書きましょう。カメラマンが他にいる場合は必須になったりします。
書き方が分からない方はご安心下さい。
絵コンテの書き方も結構メソッド化されていてネットとかに転がっています。
あと、シナリオと同じく図書館に結構置いてあるのでそういうの読んでおくのも参考になります。
スタッフを募集した場合は、その人たちと絵コンテを元によく相談して下さい。
向こうの方がテクニック・情報持っている場合は「どうしたいか」を伝えて手段をお任せしたほうが上手く回ります。
仕様どうせ書けないのに、絵コンテにプロの真似をしてレンズのサイズとか照明の位置とかを細かく書いたりすると、「素人が口出すんじゃねー」となります。
そして撮影時間ですが、油断せず朝早くから始めましょう。
昼くらいから始めると撮りきらなくて死にます。
そしてどうせハプニングが起こるので、ちゃんと予備日を設定しましょう。
雨が降ったり、役者はインフルエンザになったり、撮影したと思ったらデータ入ったパソコン落としてデータ消失とか、あげく自分が気張りすぎてぶっ倒れるというパターンもあります。
工数計算はゆとりをもってしましょう…!時間が余って怒る人はいないので。
Step5: 撮影
撮影プランをしっかり決めておけばなんとかなるはずです。
そしてシナリオ時にイメージしていたものと違っていても、多少は妥協しましょう。
現場で生まれた予想外のものが作品をよくすることも多いです。
スタッフ・キャストをよくねぎらい交通費と多少のお礼と食事代をだしましょう。
ここで1万〜2万くらいだいたい消失します。
よく話し合いましょう。
Step6: 編集
商業映画の世界で最終的に編集権を監督が持っているのはとても幸運なことです。
自主制作なのでありがたく好き勝手に編集しましょう。
どうやって編集すんだとなる人はご安心下さい。
基本的なことはネットに転がっています。
もう一歩勉強したい人は下記の本がおススメ。
「映画の瞬き―映像編集という仕事」
で、実際に編集します。
ここで「持ち物」のPCが活躍。
インターフェースも分かりやすいフリーソフトが転がっているのでDLして編集作業していってください。
効果音とかBGMはどうすんだ!となった場合ですが、フリー音源がネット上には山ほど転がっているので探してみましょう。
使用時に引用元として表記する必要があるものはスタッフロールのとこにのせればいいです。
で、編集作業ですが、ずっと一人で編集していると訳が分からなくなるので、途中段階でもこっそり人にみせつつ意見をフィードバックしていきましょう。
Step7: 披露
やっと完成。お疲れ様です。
DVDに焼いて手伝ってくれた人に配ったり、コンペに出したりしましょう。
あと、YouTubeにのせるよりVimeoにのせたほうがカッコいいです。
まとめ
お金の使いどころ
- 機材代→レンタル費用約1万円(人から借りれればタダ)
- ロケ地代→レンタル費用約2万円(交渉次第でタダ)
- 人件費(交通費・食事代・謝礼)→約1万~2万円
ネットで仲間を募集して、制作するRPG的展開になりますが、なんとかなりますヨ!
上手くいけば当初設定した5万円以下になっているはずなので浮いたお金は課金とかにまわせば皆HAPPY!