はじめに
これはドリコム Advent Calendar 2020 16 日目の記事です。
前回は中原翼さんの「情シスのぽちぽち作業を駆逐している話」です。
概要
今年は仕事内容、環境ともに自分にとって大きく変化した 1 年でした。
本記事ではその内容を振り返り、特に自分にとって有益だった作業環境の改善についてまとめています。
ディスプレイを用意したり、姿勢を見直したり、立って作業してみたり。
そんな試行錯誤を経てたどり着いた、電動昇降机という存在について紹介します。
三行と見せかけた一行まとめ
- 電動昇降机との出会いが自分にとっていかに素晴らしかったかというお話
自己紹介
こんにちは、DRIP でエンジニアをしているじぬです。
好きな攻撃は立木のポーズです。
自分の所属する DRIP はドリコムの新規事業開発を担っており、すでに愉快な仲間たちがアドベントカレンダーを公開しています。
ぜひご覧ください。
- コロナ禍、リモートワーク、新生児との生活を振り返ってみる
- SwaggerCodegen で生成したコードを Unity へ導入した
- 引っ越しから始める Jenkins Configuration as Code 生活
まずはチームの振り返り
自分は AROW という 3D マップゲーム開発のプラットフォームサービスに関わっています。
これまで、全国のマップデータや Unity SDK の提供を通して開発者をサポートしてきました。
今年はそれに加えて本格的なゲーム開発や J-LOD 採択など、社外との関わりも増えてきました。
合わせてチームも大きくなっており、大きな変化があった年と言えます。
自分はこれまでクライアント技術を担当しており、主に Unity エンジニアとして活動してきました。
まず、技術的な内容で今年を振り返ってみます。
- 春頃、とある事情によりいろいろな SNS の Web API 調査・検証をしました。
- 夏頃、初めてサーバ開発を担当し、Ruby on Rails を用いた API 開発をしました。
- 秋頃、新たな DB をイチから構築する業務を担当し、ユースケースの洗い出し、データ検証、テーブル設計をしました。
- 現在、C# を用いた PC 用アプリケーションの設計、開発をしています。
ご覧の通り、主に Unity エンジニアとして活動してきました。(?)
作業環境の振り返り
一方、弊社でも 4 月から本格的なリモートワークが始まりました。
ここから本題である作業環境の話となります。
当初、我が家の作業環境を構成する要素となっていたのは次のものです。
- MacBook Pro(会社から貸与)
- テーブル(座卓)
- 座椅子
- ディスプレイ(ゲーム用)
- ディスプレイを置く台(という名の空き箱)
今まで部屋で本格作業をする想定が無かったので、あるものを寄せ集めて作った作業環境です。
とは言えこれだけでは作業への集中度合いや身体への負担などいくつも問題点が出てきたので、色々と試行錯誤をしていきました。
周りにものを置いてみる
自分は元々仕事を通して首を痛めがちだったので、ちょうどいい目線で作業できるようにディスプレイをテーブルの奥に設置しました。
あぐらを続けると膝を悪くしそうだったので、足を伸ばしたまま作業するようにしました。
そうすると床がフローリングのため、伸ばした足やお尻を痛めるようになり、各所にクッションを配置しました。
結果として身体を痛めることは減ったのですが、別の弊害がありました。
周りに置くものが増えたため、ディスプレイ、テーブル、座椅子など各要素のちょうどいい位置調整が気になり始め、トイレや休憩で席を離れるたびにそれぞれの直しが必要になりました。
開発端末やケーブルなど部屋が少し散らかってきたことも、地味なストレスに繋がっていました。
姿勢を良くしてみる
姿勢を良くすることで腰を痛めないよう試みました。
具体的には背筋を伸ばす(変に曲げない)ことで腰を守るようにしました。
肩こりが悪化しないよう、肩が力まない姿勢を目指したのですが、手を適当な高さで保てないと腕が伸びて肩に負担があることに気付きました。
そこで背筋を伸ばしたまま身体を前傾し、肘で身体を支えることで肩への負担を抑えました。
上手くいけばあまり問題なく 1 日作業できるようになったいったのですが、その一方で姿勢維持に意識を使う必要がありました。
そのため実感としてイマイチ集中しにくく、また逆に集中できた日はいつの間にか姿勢が崩れて身体を痛めている、という状態になっていました。
立ってみる
スタンディングでの作業を試しました。
元々友人がやっているのを真似たのですが、ちょうどいい作業場が無かったため適当な棚に PC を置いてみました。
立って作業すること自体に支障は無かったのですが、ディスプレイや手を置くのにちょうどいい場所が無く、集中して作業できる環境にはほど遠かったです。
そのため、コーディングや集中して考えたい作業ではイマイチ集中しきれません。
結果として、自分が中心で話す MTG などあまり手を動かさない際に気分転換として行う程度になりました。
工夫の限界
色々試しながら数ヶ月を過ごしたのですが、ベストな環境と言うには限界を感じてきました。
姿勢をきちんとする、と書きましたがそれはそれで疲れます。
気を抜くと身体を痛めます。
足を伸ばすのは前方のスペースを使うため、ディスプレイと良い距離を保ち続けるのが難しいです。
椅子と違って座椅子では y 座標を上手く利用できないからだと謎の苛立ちを覚えていました。
弊社のリモートワークがしばらく続きそうなことや、知人のエンジニアが着々と作業環境を整えていることもあり、とうとう机と椅子の導入を決めました。
サブスクリプションサービスの利用
やるからには全力で快適な環境を目指します。
とは言え、今まで所持したことの無い物理的に大きな買い物は抵抗があります。
そんなとき家具家電のサブスクリプションサービスを知り、さっそく導入しました。(今回は CLAS というサービスを利用しました)
借りたのは以下のものです。
- ゲーミングチェア
- 電動昇降机
- 食器洗い乾燥機(これはついで)
まずはゲーミングチェアです。
弊社は福利厚生で中々に高品質な椅子を提供されているため、見劣りするものを使うのは抵抗があり、多少値段を高くする価値はあるだろうという判断です。
今のところ不満はありませんが、実のところまだそこまで活用できていません。
後述する電動昇降机の存在により、作業中はあまり使っていないからです。
電動昇降机
電動昇降机の存在は Twitter で見かけていましたが、値段の割に便利なのかピンときていませんでした。
おそらく購入するか聞かれれば NO だったと思いますが、一種類だけレンタルできたのでついでに試してみました。
1 番の魅力は、言うまでも無くボタン 1 個で机の高さを変えられることです。
試していませんが、おそらく手動で調整するのは毎日やるには手間が大きい気がしています。
高さが変更できれば、作業のためにしっかり整えた環境をそのままスタンディングに利用できます。
ディスプレイや肘置きがあれば、コーディングでも問題なく作業できます。
定量ではなくあくまで自分の実感ですが、得られた感想としては次のものがあります。
作業を始めやすい
多少なりとも身体が緊張した状態にあることで、集中状態に入りやすいです。
特に朝イチなどは集中状態に入るための第一歩に心理的な抵抗があるのですが、立っていることでくつろぎ過ぎず、ダラダラと仕事を始めてしまうケースが減りました。
姿勢が保ちやすい
テーブルを作業用に高めにすることで、意識しなくとも自然と背筋が伸びます。
高くしすぎなければそこまで肩に負担はかからないので、ムリに意識しなくとも身体を痛めないようになりました。
身体を動かしやすい
座っている状態と比べて身体を固定しているものが少ないため、ちょっとした動きがとりやすいです。
エンジニアたるもの、意味も無く歩き回っているでしょう。(偏見)
疲れた際には音楽を聴きながら挙動不審に動いていることでしょう。(暴言)
そういうケースで非常に有用です。
疲れた際に身体を伸ばしたり揺らしたり、そういうちょっとした動きがとりやすいのは地味ですがストレス低減に繋がっていると思います。
座りたい日も対応できる
値段という観点ではスタンディングデスクも一瞬検討しました。
実際には比較していないので断言できませんが、今のところ電動昇降机で良かったと思っています。
最近は立ち作業の方が断然多いですが、それでもたまに座って作業したい日もあります。
そのために座れる作業環境を用意するのは部屋のスペースから考えて難しいですし、仮に余裕があってもディスプレイ等を複数用意するのも手間になります。
そのあたりをボタン 1 個で解決できます。そう、電動昇降机ならね。
多少は疲れる
デメリットを言えば立ち続けることで脚が疲れるというのはあるのですが、今のところ嫌になるほど疲れる感じは無いです。
とりあえずツラくなるまで続けようと朝からスタンディング作業を始め、気付けば平気で夜まで立っていたことは何度もあります。
弊社は始業が 9 時半ですが、先月は業務が忙しく 22 時まで作業する日が何度かありました。
食事休憩を除いて 10 時間ほど作業していますが、これをすべてスタンディングでこなすことも十分可能でした。
おわりに
本記事では、今年自分にとって最大の変化だったリモート環境への対応を振り返ってみました。
環境整備は今まできちんとしてこなかったのですが、机や椅子など一日の大半を共にする道具にお金をかける価値は充分にあると感じます。
また、新しいことでも自分なりに面白おかしくやれたのは良かったなと思います。
今まで工作などをあまりやってこなかったのですが、自力で机を組み立てるのは思いのほか楽しかったです。
次は天板を別に買うなど DIY チックなことも考えたいなぁと思います。
自分にとって衝撃的に良いものだったので気持ちの整理を兼ねて今回の記事を書きましたが、慣れないリモートで戸惑っている方に少しでも参考になれば幸いです。
※余談ですが、一緒に借りた食器洗い乾燥機も非常に便利で、生活が変わるレベルだと思います。
次回は hayabusa333 さんの「CI、CD、そしてPDにて」です。
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