これは ドリコム Advent Calendar 2021の22日目です。
21日目は渡辺祥二郎さんのRokoko_Smartsuit Pro_Demonstrationです。
cf. Autoscaling GitLab Runner on AWS EC2
しばらくそれでよかったのだが、個人開発しているWebサイトがGoogle Cloud Platform(GCP)を使っているので、請求書をGCPに全部寄せてしまいたい。(AWSはCIを動かすためだけにしか利用していないし)
ということで、GCPにある、Google Kubernetes Engine(GKE)を使ってCIが動くようにさせてみた。 試験的に実施するため、AWSから引き上げる所まではせずにいる予定である。
基本的にはGitLab RunnerのHelmチャートを参考に実施していくので、大きく外すことはないと思う。 cf. GitLab Runner Helm Chart Helmとは、チャートと呼ばれるKubernetesパッケージを管理するためのツールであり、こちらを利用してGitLab Runnerをインストールする。ここでは「インストールするために必要なツール」ぐらいの認識で問題ないと思う。詳細はKubernetes Helm アーキテクチャを参考にしてほしい。
cf. ゾーンクラスタを作成する
作成を開始すると、Standardまたは、Autopilotのどちらかを選択するように聞かれるので、ここではStandardを指定する。
Autopilotについては、GCPが用意している運用モードの1つで、色々自動でいい感じにやってくれるそうなのだが、k8s初心者にとって何が問題でエラーが発生するのかわからないので、シンプルに動いてくれそうなStandardを選択して進めた。
cf. クラスタのタイプ#運用モード 作成するために設定項目を設定していく。とりあえず名前については、
マシンファミリーは
cf. Google Cloud Pricing Calculator
プリエンプティブルノードを有効にする。これは、可用性を失う代わりにコストが安くなる。AWSでいうところの、スポットインスタンスのようなもので、GCP側の都合でシャットダウンが発生する、最長24時間しか使えないなどの制限がある。
cf. プリエンプティブルVMを使用してフォールト トレラントワークロードを実行する
私の場合は、CIで短時間だけ回すため、この制限を受けづらいのではという推測と、もしシャットダウンされてジョブ失敗してもリトライすればいいだけなので、あまり気にせずに有効にした。
あとは全てデフォルトのままで、クラスタを作成する。
helm自体をインストールしていなかったので、brew経由でインストールする。
cf. Helmのインストール
この時のバージョンはv3.7.1だった。
cf. GitLab Runner Helm Chart
まず初めにGitLabHelmリポジトリを追加
次にGitLab Runnerのconfigファイルを用意する。以下に基本となるyamlファイルがあるので、これをベースに少し修正していく。
https://gitlab.com/gitlab-org/charts/gitlab-runner/blob/main/values.yaml
以下に変更点のみ記載する。
それ以外の項目については、ベースになっている
今回変更した点については、EC2で動かしていた時の設定値を参考に設定しているので、もしかしたら無駄な設定が入っているかもしれない。この辺りは今後の課題にしておいて、先に進む。
次に用意したconfigファイルを使ってインストールを実施する。最初にクラスタに接続する。
次にnamespaceを作成しておく。ここでは
先ほど用意したvalues.yamlファイルを使ってインストールを実行する。
この作業をすると、GitLabのAvaiable specific runnersにランナーが追加されていることを確認できる。 また、GCP側にも追加されていることを確認できるはず。
テストの動作確認はできたため、次に進む。 GKEへ移行することができるかを確認するために、元々の
CPUの動きが気になるんだけど、こんなものなのだろうか。メモリ使ってない。ディスクも使ってない。
希望としては少なくともEC2を使っていた頃と同じくらいの時間で済むようにはしたい。
残タスクは他にもたくさんある。コンソールはテールライトのように赤いログを吐き出している。旅はまだ終わらない。
23日目は安藤尚之さんの記事です。
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21日目は渡辺祥二郎さんのRokoko_Smartsuit Pro_Demonstrationです。
はじめに
GitLab.comで個人開発中のコード管理をしている。そこで、Shared Runnerを利用してCIを動かしていたが、制限が気になってきたことと、知的好奇心からAWSのEC2にGitLab Runnerを入れて利用していた。cf. Autoscaling GitLab Runner on AWS EC2
しばらくそれでよかったのだが、個人開発しているWebサイトがGoogle Cloud Platform(GCP)を使っているので、請求書をGCPに全部寄せてしまいたい。(AWSはCIを動かすためだけにしか利用していないし)
ということで、GCPにある、Google Kubernetes Engine(GKE)を使ってCIが動くようにさせてみた。 試験的に実施するため、AWSから引き上げる所まではせずにいる予定である。
やってみる
この記事の執筆者はKubernetes(k8s)の勉強をしながら移行作業をしているため、有識者の方から見ると不可解な設定をしているかもしれない。どうか私の右往左往する様を微笑ましくみていただければと思う。また私と同じようにやってみたい方がいるかもしれない。その時は公式ドキュメントの傍らに作業動画を流す感覚で読んでいただけると幸いだ。基本的にはGitLab RunnerのHelmチャートを参考に実施していくので、大きく外すことはないと思う。 cf. GitLab Runner Helm Chart Helmとは、チャートと呼ばれるKubernetesパッケージを管理するためのツールであり、こちらを利用してGitLab Runnerをインストールする。ここでは「インストールするために必要なツール」ぐらいの認識で問題ないと思う。詳細はKubernetes Helm アーキテクチャを参考にしてほしい。
クラスタの作成
まず初めにクラスタを作成する。GCPからKubernetesのページに行き、作成を開始する。cf. ゾーンクラスタを作成する
作成を開始すると、Standardまたは、Autopilotのどちらかを選択するように聞かれるので、ここではStandardを指定する。
Autopilotについては、GCPが用意している運用モードの1つで、色々自動でいい感じにやってくれるそうなのだが、k8s初心者にとって何が問題でエラーが発生するのかわからないので、シンプルに動いてくれそうなStandardを選択して進めた。
cf. クラスタのタイプ#運用モード 作成するために設定項目を設定していく。とりあえず名前については、
gitlab-runner-standard-cluster
とした。
マシンファミリーは
e2-medium
に、ブートディスクは32GBにした。ここの値は割と適当で、とりあえず動いた後考えることにする。料金については以下のサイトで計算できるので、気になる人は諸々の設定値を決めた後、やっておいた方が良いかもしれない。
cf. Google Cloud Pricing Calculator
プリエンプティブルノードを有効にする。これは、可用性を失う代わりにコストが安くなる。AWSでいうところの、スポットインスタンスのようなもので、GCP側の都合でシャットダウンが発生する、最長24時間しか使えないなどの制限がある。
cf. プリエンプティブルVMを使用してフォールト トレラントワークロードを実行する
私の場合は、CIで短時間だけ回すため、この制限を受けづらいのではという推測と、もしシャットダウンされてジョブ失敗してもリトライすればいいだけなので、あまり気にせずに有効にした。
あとは全てデフォルトのままで、クラスタを作成する。
Helmを用意する
ここからはローカルにて作業を進める。helm自体をインストールしていなかったので、brew経由でインストールする。
$brew install helm
cf. Helmのインストール
この時のバージョンはv3.7.1だった。
GKEへのGitLab RunnerのインストールとGitLab Runnerの登録
ここでインストールガイドの前提条件が終わったので、ドキュメントを参考にGitLab Runnerをインストールしていく。cf. GitLab Runner Helm Chart
まず初めにGitLabHelmリポジトリを追加
$helm repo add gitlab https://charts.gitlab.io
次にGitLab Runnerのconfigファイルを用意する。以下に基本となるyamlファイルがあるので、これをベースに少し修正していく。
https://gitlab.com/gitlab-org/charts/gitlab-runner/blob/main/values.yaml
以下に変更点のみ記載する。
replicas: 3 gitlabUrl: https://gitlab.com/ runnerRegistrationToken: "<Runner Token>" concurrent: 10 rbac: create: true runners: tags: "gke-standard"変更必須項目は、
gitlabUrl
とrunnerRegistrationToken
の2つになる。gitlabUrl
については、私は、GitLabをGitLab.com
で使っているので、https://gitlab.com
を指定する。
<Runner Token>
には、GitLabの Setting > CI/CD Settings > Runners > Specific Runnersにあるtokenを記入しておく。それ以外の項目については、ベースになっている
values.yaml
にコメントアウトで諸々書いているので必要な設定をしていければ良いかと思う。
今回変更した点については、EC2で動かしていた時の設定値を参考に設定しているので、もしかしたら無駄な設定が入っているかもしれない。この辺りは今後の課題にしておいて、先に進む。
次に用意したconfigファイルを使ってインストールを実施する。最初にクラスタに接続する。
$ gcloud container clusters get-credentials gitlab-runner-standard-cluster --zone us-central1-c --project project-dev
次にnamespaceを作成しておく。ここでは
gitlab-runner-ns
とした。$ kubectl create namespace gitlab-runner-ns
先ほど用意したvalues.yamlファイルを使ってインストールを実行する。
$ helm install --namespace gitlab-runner-ns gitlab-runner -f ./values.yaml gitlab/gitlab-runner
この作業をすると、GitLabのAvaiable specific runnersにランナーが追加されていることを確認できる。 また、GCP側にも追加されていることを確認できるはず。
GitLab CIの動作確認
configファイルの中身にて、tagsにgke-standard
と入れたので、このタグをCI実行時に指定することで、動作するようにしてみる。.gitlab-ci.yml
の先頭に以下を追加する。
default: tags: - gke-standardとりあえず動くのをテストするため、
.gitlab-ci.yml
ファイルを以下のようにして動かしてみることにする。
default: tags: - gke-standard image: node:12 stages: - test echo: stage: test script: - echo 'hello'パイプライン見に行って動作することを確認した。
テストの動作確認はできたため、次に進む。 GKEへ移行することができるかを確認するために、元々の
.gitlab-ci.yml
に戻して動作確認したところ、ジョブが成功したことを確認できた。
しかし、EC2の時は4分前後かかっていたのに、GKEでは13分かかっている。
単純にEC2の時にハイスペック指定していたわけでもないため、GKEのマシンファミリーを変更するだけでは解決しなさそう。
CPU、メモリ、ディスクを見にいくとこんな感じだった。
CPUの動きが気になるんだけど、こんなものなのだろうか。メモリ使ってない。ディスクも使ってない。
希望としては少なくともEC2を使っていた頃と同じくらいの時間で済むようにはしたい。
結果
当初の目的は AWSからGCPへ移行し、請求書をGCPに全部寄せることだった。 だが、動作確認の結果だとEC2のCI と比べて実行時間に意図していなかった大きな差があったため、AWS の環境を残している。 当初の目的を果たすの道のりは遠そう。残タスク
とにかく動くところを目指していたので、幾つか残タスクが残った。- クラスタ立ち上げ時の設定は適切なのか確認したい
- helmでGitLab Runnerをインストールする時のvalues.yamlで設定する値は適切なのか、他に設定した方がいい値はないかを調べたい
- コンテナ準備してから諸々の実行進んで欲しいので、この方法を見つけたい
- EC2の時と同じくらいのCI速度にしたい
- AWSからの完全移行!
- etc…
終わり
初めてk8sを触りながらの試行錯誤は楽しく、思ったより難航した。 GKEでGitLab Runnerを動かすことはできたものの、完全に移行できたとは言えず、まだ手を動かすことは多い。残タスクは他にもたくさんある。コンソールはテールライトのように赤いログを吐き出している。旅はまだ終わらない。
23日目は安藤尚之さんの記事です。
ドリコムでは一緒に働くメンバーを募集しています!
募集一覧はコチラを御覧ください!