2017/11/09(水)に、株式会社レコチョクさんが主催の「RecoChoku Tech Night #05 4社合同-エンジニアの「失敗から学ぼう」-」が開催され、その中で弊社エンジニアである三上が登壇しました。
本記事は、イベントのレポート記事になります。

RecoChoku Tech Night #05 4社合同-エンジニアの「失敗から学ぼう」- とは?

株式会社レコチョクさんが主催しているRecoChoku Tech Nightの第5回イベントになります。

普段はあまり聞くことがない、異業種の人の失敗談やそこから何を学んだのかを共有しよう、というイベントでした。

今回お声掛けいただいた三上をはじめ、登壇した4名のエンジニアの方々はそれぞれ、不動産(LIFULLさん)、農業(ファームノートさん) 、音楽(レコチョクさん)、ゲーム(弊社)とジャンルの違う会社になっていました。

そのため失敗談も、それぞれの業界に応じたものになっており、様々なお話が聞けてとても面白いイベントでした。

詳しくはconpassのページをご参照ください。

当日の流れ

まずは登壇者と参加者を交えて全体で乾杯!
水筒を飲んでいる方、お茶またはお酒を飲んでいる方など、様々な方々が集まり、ラフな雰囲気の中イベントが開始されました。

 

まずは主催者である株式会社レコチョクの山内さんによる、オープニングの発表がありました。

オープニングでは、山内さんが体験したVRに関する失敗談が紹介されました。

反射による映り込み、撮影時の埃の付着、フェス中の他アーティストの映り込みなど…普段VRで撮影などをしていないと体験できないお話がたくさんありました。

特にフェス中の他アーティストの映り込みに関する失敗談でおっしゃっていた、「郷に行っては郷に従え」の言葉がとても印象的でした。

自分の中の理想のために考えたり、対策を立てたりするだけではなく、先人の知恵も参考にする。

仕事の中で、「こうするためにはどうすれば」という目線は持ちやすいですが、そもそもその理想を疑う、という視点はとても重要だな、と感じました。

 

次に、弊社エンジニアの三上による「いろいろ失敗もしたけれど、私は元気です」の発表でした。

三上は現在新卒3年目ですが、入社したころからゲーム制作のプロダクトに所属しており、ゲームのサーバーサイドエンジニアとして仕事をしてきました。現在は、チームの中のエンジニアリーダーとして日々活躍しています。

そんな三上の発表した失敗談は、一つのコマンドを誤って実行したために本番環境で数分間エラーを発生させてしまった、新機能用に設計したデータ構造が機能リリース時の負荷に耐えられなかった、などゲームならではの失敗となっていました。

その中で、1つの行動が思わぬ大きな影響を及ぼしてしまう…そんなことがないように、三上は

  • 本番環境では安易にコマンド実行をしない
  • コマンド実行時は実行前に環境を必ず確認する
  • ミドルウェアの知識も必要になるため、勉強をする

などの対策を講じていました。

↑弊社エンジニア三上による発表の様子

 

次に、株式会社LIFULLの鈴木さんによる「失敗と向き合う姿勢を正す話」の発表です。

鈴木さんの発表は、発表タイトルの通り、失敗とは何かの定義をはっきりさせ、定義した失敗に対してどう対処していくべきかという内容でした。

失敗の定義、また、失敗には「挑戦による失敗」と「怠慢による失敗」があること。起きたことが本当に失敗なのかどうかの、失敗の捉え方。

失敗は全員の責任であり、犯人探しではなく振り返りをすることに価値を置くこと。ログをとるのはとても重要であること。失敗を印象化すること…

などなど、エンジニア歴が10年を超えるベテランならではの発表がされていました。

聞いていてとても印象に残ったのは、何度か発表の中に出てきた「心理的安全性」という単語でした。

弊社でも、バージョン開発の節目であったり、1週間に1度行うスプリントレビュー(※1)の中で振り返り(KPT)を行う場がありますが、

その中で出る問題(P)というのは、その問題を引き起こした人に対する断罪を行う場ではなく、起こった事象に対して原因をみんなで考えて、対策を講じていくためのPだと思っています。

「心理的安全性」を保つことで、チームの発言のしやすさにつながり、弊社に関して言えばバグの防止、またチームをよりよくするための活動が活発になります。

「心理的安全性」…とても重要なキーワードに感じました。

(※1 弊社の殆どのチームが導入しているスクラム開発手法における、1タームを振り返ってそのタームでチームで何ができたかを共有する場のこと)

 

次に、主催である株式会社レコチョクの江藤さんによる「恥の多い(エンジニア)人生を送ってきました」です。

大学時代の教授に言われた、「若いうちに失敗しとけ」という言葉から、失敗から学ぼうという意識がついたこと。また、時間が経てば経つほど、責任が重くなっていくこと。などのお話をされた上で、江藤さんがどんな失敗をして何を学んだのかを発表されていました。

大学時代に研究棟のネットワークを停止させてしまう事件を起こしてしまったことからは、「スコープの影響を考える」ことを学び、入社後に作成したサービスで使用した環境がその時点ではα版で、環境がアップデートされたら大きな変更がされてしまったことからは、「捨てる勇気を持つ」ことなど。

また、1度作ったサービスを社外に展開することになり、入念にテストしたにも関わらず、簡単なところで見落としをしてしまっておりサービス開始初日にサービスが動かない状況になってしまっていたことからは、「自分を常に疑うこと」を学んだとおっしゃっていました。

この発表を聞いていて思ったのは、学生時代からとても挑戦的な活動をしていらっしゃるな、ということでした。

失敗は確かに怖いことですが、江藤さんがおっしゃっていた通り、失敗の責任は時間が経てば経つほど重くなっていきます。そんな中で、失敗を恐れずに挑戦を続けてきた江藤さんの姿勢は、新卒1年目の私にとってとても学ぶべき姿勢だなと思いました。

 

最後に、株式会社ファームノートの阿部さんから、「俺失敗したこと無いんですよね」の発表です。

阿部さんは現在北海道の帯広市で、牛の管理システムを作るお仕事をされています。牛の管理システムに使用する首のセンサーを、実際に牛に取り付けてみたり、素材があっていなかったら素材選びまで考えたり…といった、自然と寄り添いながらのお仕事をされているそうです。

そんな阿部さん、現在は素材選びから分析までこだわってやっていらっしゃいますが、はじめはあまり積極的な気持ちにはなれなかったとのことでした。

というのも、阿部さんは元々Web系のエンジニアだったことから、Web系ではない仕事になった時点で「私はWeb系エンジニアだから」という気持ちになってしまっていたそうです。

しかし、仕事がはじまってから1年ほど経った後、「私はWeb系エンジニアだから」という「思い込み」を捨てて仕事に取り組んでみたところ、とても仕事が楽しいものになったそうです。

そんなエピソードから、阿部さんは「世の中は思い込みでできている」ということをおっしゃっていました。

その時自分に与えられた仕事に対して、思い込みを捨てて真摯に向き合うこと。一つ一つの仕事のクオリティをあげていくために、とても大事なことだなと思いました。

 

そして4名の発表が終わった後、4名を壇上に招待しての、「失敗しないための工夫・ツール」についてのパネルディスカッションが行われました。

↑登壇者4名が壇上でパネルディスカッションしている様子

事前アンケートから出た意見を元に、タスク管理の方法や、体力は大事!というお話があったり、登壇者みなさんに対して「夜間対応があって大変だったエピソード」などを聞いたりと、会社によって違う側面を多数見ることができて、とても面白いパネルディスカッションでした。

特に、帯広・札幌・東京・福岡と、各拠点が離れている株式会社ファームノートの阿部さんが、各拠点同士の連絡ツールについての質問でおっしゃっていた「最終的には電話機が強いです」というお話が、複数の拠点はあるものの、それぞれの拠点が徒歩圏内にある私にとって、個人的には印象に残りました。

パネルディスカッションが終わったあとは、司会者である平山さんから、本イベントをやりたかった理由として「自分を育てるものは失敗であり、その成長の軌跡を共有できる機会があるのはとてもいいことだと思ったから」というお話がありました。

 

その後、登壇者・主催者・参加者問わず全体での懇親会となりました。

美味しいオードブルも用意されており、飲み物を片手にみなさんとても楽しげにお話されていたのが印象的でした。

終了時刻になった時点でも人はほとんど開始時と変わらず、レコチョクさんが記念品としてRecoChoku Labのトートバックを配布している時もとても盛り上がっていました。

↑登壇者及びその同伴者での集合写真

最後に

新卒1年目のまだまだ若輩者な私ですが、今回参加させていただいたことで、これまでエンジニアとして働いてきた先輩方がどんな失敗をして、その失敗をどう活かして成長につなげてきたかを知ることができました。

失敗を恐れず、次に活かす力を意識して、私も本イベントで登壇されていたみなさまのようなベテランエンジニアになれるように頑張りたいです!