本稿では、8/31~9/1 の2日間にわたって開催された AROW ハッカソンに潜入した際の様子をレポートします。

AROW って?

AROW

AROW とは「3DデータとPOIデータを活用し、位置情報と組合せる事で没入感のある新しいゲーム体験を実現する為の開発者支援ツール」というキャッチコピーの通り、実際の地図情報に基づいた 3D 空間をゲームコンテンツとして提供するためのツールです。
詳しくは過去の記事で紹介しておりますので、そちらをご参照ください。

【CEDEC 2018 フォローアップ】3Dリアルマップを用いたモバイルゲーム開発における課題とその解決方法

AROW ハッカソンって?

そんな AROW を利用した、2日間で制作物の企画と実装を行うハッカソンです。
当日の会場ではなんと!残暑に浮かれてかき氷が食べ放題でした。

今回のハッカソンの評価観点は下記の通りです。

1:AROWを活用していること
2:機能・演出などがきちんと実装されていること
3:ゲームとしてのユニークさ・おもしろさ
4:プレゼンテーション力

3D マップの生成や POI データの提供、テクスチャや建物 3D モデルの差し替え、経路検索など、AROW では多様な機能を提供しており、それらをどの様に活用するかが鍵となります。

ハッカソンの様子

潜入開始!

初日は午前11時開始と、少し余裕のある開始時刻。
本会の主旨やルール、スケジュール説明とともに始まりました。
その後、企画のための時間が半日ほど設けられましたが、AROW の活用によって実現できそうな体験は幅広く、もともと「これが作りたい!」と企画を用意していた参加者以外は頭を悩ませている様子。

ランチ

ランチは AROW ハッカソン運営より支給されました。
残念ながら写真を撮るのを失念してしまいましたが、なんだかとてもヘルシーな雰囲気で、普段のデスクワークの不摂生には優しい感じのお弁当でした。
ごちそうさまでした!

企画発表タイム

1日目の終わりには企画発表タイムを行いましたが、いずれも個性豊かな発表でまさに十人十色といった内容です。
これは AROW という単一のツールのハッカソンですが、概ね内容が重複することがなかったのはツール製作者としても嬉しい光景でしょう。
中には XR で AROW を用いたいなど、より没入感を重視した企画の発表も見られました。




緊張のチーム分け

企画発表後は、残りの時間で制作をするチーム分けが発表されました。
チーム分けは、事前にヒアリングした Unity の習熟度やチーム分け希望を元にしています。
知らない人とチームを組むという緊張感も、ハッカソン特有の時間制限の中では意に介している暇はありません。
それぞれのチームは、自己紹介もそぞろに何の企画を推し進めるべきかの相談を行っていました。
AROW で広がった企画の夢も、残りの時間で形にできるように落とし込まなければならず、各チームとも役割分担や具体的な仕様の話をしていました。
中には付箋を用いてタスクの洗い出しをするチームもおり、本気度が伺えます。
傍らに置かれたコーヒーの空き容器がなんだか生々しいですね。

企画の魅力を最大限に引き出すアセットの購入を支援するため、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン様の協賛により、各チームには Unity の Asset Store のバウチャーが配布されました。
早速、これでどんなアセットを購入するかの相談を行っている風景も見られました。
会場はこの後の 17:30 には締まったため、参加者は場所を変えるか、各自の自宅で作業を継続することとなります。
ここで本当の意味でのハッカソンが始まったと言えるでしょう。

2日目の朝

2日目は特に説明などの時間は設けられず、朝イチから作業開始です。
もちろんかき氷は朝からスタンバイされており、朝の糖分と水分補給にはうってつけでした。
参加者も気のせいか根詰まった様子ではなく、ハッカソンにしては比較的健康的な雰囲気です。
作業もそれぞれのチームのスタイルで行っており、主な作業場所をセミナールームからカフェに移したりするチームもいました。
AROW ハッカソン運営からは電源アダプタはもちろんモニタの貸出も行っており、作業効率が存分に発揮できるように配慮されています。
AROW の Unity SDK 開発者も現場に待機しており、 AROW の不明点や問題報告、そして時には Unity そのものの質問なども、チャットや直接の会話を通して対応していました。
コード上の問題もチャットを通してスニペットを提示するなど、課題解決のスピード感は高かったかと思われます。

ランチ

2日目のランチはオシャレなベーグルサンドでした。
見た目も味も 100点!!なんですが、具が滑落しやすいという致命的な弱点が・・・!
そんな困難はともかく、ごちそうさまでした!

残り時間わずか

AROW ではサンプルが充実しているため、それをベースに制作しているチームも多いようです。
生成された渋谷の 3D マップの中を、プレイヤーの操作で Unity chan を歩かせられるというサンプルはどのチームにとっても使い勝手がよく、作業効率を大幅に向上させているようでした。
サンプルをベースにして企画固有の実装を追加したり不要な要素を削除したりして、思い思いのゲームを作っています。

2日目は 18時より制作物の発表ですが、時間が迫るにつれて会場には焦燥感が漂ってきました。
ハッカソン参加者が「仕事でもないのになんでこんなに追い込まれるんだ・・・」と後悔の念を漂わせるひとときですね。
一方では、少し早めに見切りを付けたために達観した面持ちのチームも見られました。

制作発表!

時は無情にも過ぎていき、ハッカソン参加者は製作発表の時間を迎えることとなりました。
発表された内容は企画に沿ったものもあれば、若干アレンジが加わったものもあり、全チームがデモを披露することができました。
以下は発表された制作物の概要一覧です。

  • 危険な POI から湧き出るゾンビから安全な POI まで逃げるゲーム
  • 全ての建物がタピオカになってしまった渋谷の街で謎解きをして正解の地点まで移動するゲーム
  • 超人的な能力で渋谷の街を跋扈して3Dマップ上に配置されたチェックポイントを集めるゲーム
  • ランダムに建物が生成された街の中を鳥瞰視点で敵から逃げつつゴールまでたどり着くゲーム
  • UberEats の配達員となって自転車で POI からゴールまでデリバリーするゲーム

2日間という短い期間でしたが、それでもこれだけバラエティ豊かなコンテンツが爆誕しており、 AROW 開発者も目を見張っていました。

そして表彰へ

表彰ではベストエンジニアリング賞など、様々な賞が用意されていました。
また、参加者全員に AROW ハッカソン限定 T シャツが配られました。


各チームとも甲乙つけがたい作品ばかりでしたが、運営としては最優秀賞を決めなければなりません。
断腸の思いで決定した最優秀賞は、 yuhsuke_in さんとShokoKomatsu さんの「全ての建物がタピオカになってしまった渋谷の街で謎解きをして正解の地点まで移動するゲーム」でした!おめでとうございます!
最優秀賞には副賞として Amazon ギフトコードが送られます。
また、他のチームも最優秀賞とはならずとも各賞を受賞していました。

本当にお疲れ様でした!

懇親会

納期の負荷からも開放され、参加者一同は清々しい気持ちでの懇親会となったでしょう。
今回のハッカソンは学生からベテラン、はたまたエンジニアだけど Unity は未経験、など幅広い層から参加いただき、懇親会においても興味深い話を多く聞くことができました。
ピザやお寿司を頬張り、ちょっと良いビールなんかも呑みつつ、最後はお互いの健闘を祝って締めました。

AROW ハッカソンについて

AROW ハッカソンは、AROW の周知もさることながら、AROW を使ったらどんなコンテンツが生まれるんだろう、という好奇心を満たす目的が強く込められたハッカソンです。
結果としては、文句なしにやってよかったなと思えるほど参加者の個性が生かされた制作物の数々を拝見することができました。
地理情報を用いたサービスは世の中にはいくつかありますが、AROW はゲーム開発者のクリエイティビティを存分に発揮するためのツールです。
今後もお使い頂いた皆様のお声を元にブラッシュアップを行っていきますので、デベロッパーページや SNS (Twitter/Facebook) にてご意見頂けると助かります。
最新情報も逐次発信しておりますので、是非フォローしてください!

また、現在はオープンテスト期間中で、まだ AROW を使われていない方も自由に触れることができます。
以下のページの「開発者登録」ボタンよりお申し込みください。

AROW 公式サイト

AROW では今後もミートアップや、アプリコンテストなどの開催を検討しています。
今回参加できなかった方も、また別の機会にお越しください!

今後とも AROW をよろしくお願いいたします!

About the Author

Smith

Smith

Twitter: @do_low
2011年10月 ドリコムに中途入社。
広告事業部、カジュアルゲームを1ヶ月に1本リリースしないと死ぬ子会社、ネイティヴゲーム基盤グループ、HTML5ゲーム基盤開発プロジェクトを経る。
現在は enza プラットフォーム事業で開発部長兼サーバ/フロントエンドエンジニアとして従事。
その他、このブログのプロデューサーやCTO室のメンバーとしても活動。
個人活動で「HMLT5 ゲーム開発の教科書」(ボーンデジタル社出版)を著す。
普段の業務は課題抽出・解決と雑用と人助け。