はじめに
Hi! じぬです。
2019年度も半分が過ぎました。この記事では弊社の AROW というプロジェクトがリリース以降どんな取り組みをしてきたかまとめてみたいと思います。
自己紹介と概要と
申し遅れました、DRIP 部でエンジニアをしているじぬです。DRIP はドリコムが掲げる「常に発明を生み続ける」を率先して体現するためのプロジェクトです。
AROW は AR 領域の挑戦として、リアルマップを用いたゲーム開発をサポートするためのプラットフォームです。具体的にはマップデータや Unity SDK を提供し、容易に 3D 表現やマップのゲーム組み込みができるようになることで、ゲーム開発をサポートしています。
オープンテストバージョンのリリース
4月23日、AROW のオープンテストバージョンをリリースしました。これは開発者登録をすることで利用できる、無料のベータ版 SDK です。実際に使っていただいているディベロッパーの皆さんよりフィードバックを受け、現在まで複数回バージョンアップを行っています。
また、リリース直後にはミートアップを開催しました。AROW をお披露目する発表を行うとともに、どんな疑問があるか、どんなゲームを作りたいか、といったことをディベロッパーの方たちと直接話す機会を設けました。
AROW セカンドシーズン
ベータ版リリースを経て、次にどんな取り組みをすべきか精査しました。AROW を多くのディベロッパーに使ってもらうためにはどうすればいいのか、チーム全員で話し合いました。その中で、二つのやるべきことが浮かび上がりました。
- POI 機能の強化
- AROW の宣伝活動
POI 機能の強化
一つ目は、POI 機能の強化です。
POI とは Point of Interest の略で、ユーザが注目している場所や、名前が知られている有名な場所などを指します。AROW では東京タワーなどの有名な場所、あるいはコンビニや病院などのカテゴリをもった場所、を POI として定義しています。
ただし当初は POI データを配信しているのみで、具体的に POI をゲームに組み込むフローを提供できていませんでした。この点を明確にすることで、ディベロッパーが AROW の使い方をイメージしやすくなることを目指しました。具体的には、POI の prefab 表現、POI の接近検知という二つの機能を実装しました。実際の機能や使い方は細かいためこの記事では割愛しますが、詳細はドキュメントで確認できます。
実際に生成した街並み
AROW の宣伝活動
ベータ版リリースの目的は、実際に利用するディベロッパーからフィードバックを得て AROW を改善していくことにあります。そのためにはまず AROW を知ってもらい、利用してもらうことが必要です。そのための取り組みとして、AROW のエンジニアも宣伝活動に取り組むことにしました。DRIP としても社外に向けて取り組みをアピールしたいフェーズだったこともあり、ちょうど良い機会となりました。
情報発信をする上での心がけ
具体的には LT 参加やイベント登壇、技術同人誌などの機会を積極的に活かして発信をしていくことにしました。とは言えただ宣伝するだけでは面白みも無く、聞いている方の興味を引くことも難しいと考えられます。そのため当たり前ではありますが、開発時の技術的知見や AROW でどんなものが作れるかなど、少しでも受け手に発見があるような内容を心がけました。
様々なご縁で紹介していただいたものを含め、AROW 全体では次のような情報発信の機会をいただきました。
イベント登壇
- Gotanda.unity #11
- Gotanda.unity #13
- Roppongi.unity #4
- Unity Developer Jobs #1
- Amazon Game Tech Night #16
- Unite Tokyo 2019 Eve2 LT Fes
技術同人誌
イベント開催
その他
ハッカソン時の写真
情報発信と振り返り
結果としてかなりの頻度で情報発信を行いました。そこから改めて気づいたのは、以下の点です。
- アウトプットのためには、曖昧な知識をきちんと自分のものとして習得する必要がある
- はじめからアウトプットを意識すると、目的意識を持って学習や開発に取り組める
- とは言えアウトプットに傾倒しすぎるとだんだん苦しくなるため、インプットとのバランスが必要である
いちエンジニアとして、情報発信を続けることで大きく成長できたと感じます。その一方でやはりアウトプットに偏るのも不自然であり、インプットとアウトプットを交互に行えることが理想であることも実感できました。
今後の予定
下期の取り組みについてはまだ未定の部分もありますが、現時点では以下のようなことをもくろんでいます。
- 開発実績作り(ミニゲームなど)
- マップデータの拡充(機械学習の範囲拡大、データソースの増加)
- Unity 最新技術への適用
特に取り組みたいのは実績作りです。自分たちでももっと AROW を使い込むことで、ディベロッパーの感覚を理解し、ゲーム開発のためのより細かいニーズを満たせる改善ができればと考えています。
まとめ
今回は、AROW の取り組みについて紹介させていただきました。少しでも AROW、そして DRIP の取り組みをイメージしていただければうれしいです。
現在 AROW は日本全国のデータを配信しています。Unity SDK と合わせて、なんと無料で利用することができます(宣伝です)。ゲームやマップに興味をお持ちの皆さんが、一人でも AROW に興味を持ち、新しいゲームやアプリを生み出していただければ幸いです。