これはドリコム Advent Calendar 2020 の4日目です。
3日目はこの記事と同じく Smith による「 golang がミジンコレベルの(以下略」です。

昨日に引き続いてこんにちは、このブログのプロデューサーをやっている Smith(@do_low) です。
昨年のアドベントカレンダーでは、自社技術ブログの運用について公開しました。

Inside Tech Inside Drecom

今年は Tech Inside Drecom (以下、 TID) の数字面を振り返りの代わりに記事にしたいと思います。


TID が KPI にしているもの

TID では下記の要素を KPI としています。

  • 月次 UU (社内からのアクセス除く)
  • Twitter フォロワー数
  • 月間記事公開数

あまり多くの要素は観測していません。
TID に専任のメンバーがおらず、限られた稼働の中で KPI に対して取るアクションを厳選しなければならないためです。

背景

ブログ媒体として観測できる指標は多くあると思います。
ここではなぜ上記の指標を採択したのかの背景を補足します。

月次 UU

アクセスログ自体は、当初は Google Analytics を用いていましたが、PV/UU の数字が明らかに異常値であったため、TID 自体のサーバーログを AWS Athena から取れるようにして対応しています。

ここでの月次 UU は、ブログトップの URL は除く具体的な記事への訪問 UU のみカウントしています。
また、ドリコム社内の IP アドレスや、会社で採用しているチャットツールであるチャットワークからの遷移は除外しています。
これにより、純粋に社外の読者にリーチできた件数に近い数字をトラッキングしています。

月次で取る理由は、やはりブログ媒体だと記事公開日後の UU が上がるため、月次で観測していたほうがブログメディア自体の訴求力に近いのではないかと仮説を立てたためです。

また、現在のところは月次で1記事公開のペースですが、2記事、3記事と重なった場合の記事公開数に UU が比例するかどうかも分析が可能と考えたためです。

UU を取る理由は、単純に PV だとノイズが多いというのと、情報をお届けできた個人の数に近い UU を観測する方が、技術広報の手段であるテックブログの役務を果たしているかどうかを観測するのに最適と判断したためです。

Twitter フォロワー数

Tech Inside Drecom 単体では集客力が低く、流入の殆どを SEO や SNS に依存しています。
そのため、昨年から今年にかけては Twitter フォロワー数の観測を行っています。
各種 SNS ではアナリティクス機能など提供されていますが、まずはツイートやフォローなどの具体的でコントロール可能なアクションと、そのフィードバックとしてのフォロワー数を観測するように決めました。

(フォローよろしくね!)
@DRECOM_TECH

月間記事公開数

こちらはコントロール可能な KPI として扱ってはいませんが、運営として月間 1記事の公開は死守したい、という思いから目標として置いています。


今年の出来高

あまりもったいぶっても仕方がないので、早速発表です。

月次 UU

年月 UU
2020/01 10252
2020/02 8985
2020/03 9562
2020/04 9881
2020/05 12770
2020/06 12987
2020/07 13114
2020/08 13539
2020/09 13613 👑最高記録!
2020/10 13574
2020/11 12316 (11/30 お昼時点)

uu

Twitter フォロワー数

年月 UU
2020/01 542
2020/11 621

follower

月間記事公開数

2020/01 : 2記事

2020/02 : 1記事

2020/03 : 2記事

2020/04 : 1記事

2020/05 : 2記事

2020/06 : 1記事

2020/07 : 1記事

2020/09 : 2記事

2020/10 : 1記事

2020/11 : 2記事


要因・考察

ここからは、上記の成果に至った要因や取り組みを挙げていきます。

月次 UU

TID では 6月頃から外部媒体への転載を開始しています。
これは KPI である TID の月次 UU に対しては決して良い影響を与えるものではないと認識していますが、TID 運営の目的はドリコムのプレゼンス維持・向上であるため、 KPI の向上もそうですが、より多くの読者にドリコムの情報をお届けする、という点においては外部媒体のほうが優れているため、外部媒体の活用を決定しています。

結果として TID の月次 UU は下がるどころか上昇傾向が見られました。
ただ、転載を開始する前月の 5月も UU が伸びているため、一概に転載のみの効果とは言えないようです。

過去、2018年からの月別の UU を観測していくと、 4 ~ 6月 は上昇、 10 ~ 12月は下降、それ以外の月が中央値、といったトレンドが見られます。
3月と 5月は記事公開数の実績は 2記事ですが、2つの月を比較すると上記のトレンド通りかなという印象です。
また、記事単体の効果を観測した所、ポストモーテム記事の数字が相対的に良かったことも要因として考えられます。
5月が良い結果だった要因はある程度説明可能となりました。

また、5月以降は、9月に2記事公開で、TID ギネス達成。
10~11月は例年の下降トレンドに従い、ちょっとずつ数字が下がっています。

ある程度は説明可能とはいえ、 5月以降で急に UU がハネたのは運営としても驚きです。
来年も同じ水準の UU を維持できれば、コロナ禍などの世の中の現象との因果関係もなく、転載の効果によるものと説明ができそうです。

Twitter フォロワー数

コチラは昨年と比較して、こちらからの積極的なフォローを増やしてフォローバック頂く機会を増やしたことが要因と考えられます。
フォローは、ドリコムやドリコムの Twitter アカウントの存在を知らない方に認知いただくための運営が取れる数少ない手段の一つであり、非常に地道な活動ですが一定の成果を上げています。

また、 TID 記事の拡散をベースとして発信しており、あまり決算発表などの時事的なイベントには触れていません。
その分、フォロワー数の上下は外的環境に左右されない純粋な TID の評価として考えることが出来ます。

Twitter や Facebook のビュー数やエンゲージメントは、 KPI にこそしていないものの月次での分析は行っています。

まだまだ仮説を立てながら、改善アクションを少しずつ実行していくという試行錯誤のフェーズですが、来年に向けて確実にチューニングしていきたいですね。

月間記事公開数

冒頭でも触れましたが、月間記事公開数 KPI ではなく運営目標です。
今年は (なんとか) 月間 1記事の公開は死守できました。

反面、今年は転載業務の運営コストも増したため、現状の運営規模だと記事公開数がストレッチしづらいという課題が浮き彫りになっています。

運営メンバーも、もともと新卒から続けてくれているメンバーがほとんどですが、そんなメンバーたちが業務上で欠かせないポジションになっていっていることの証左であるように、TID 運営業務も若干の無理が出てきています。
長くメンバーを見てきている立場としては非常に嬉しい状況である反面、プロデューサとしてヒトの工面をなんとかしなきゃなぁ、という状況です。

総括

今年はコロナ禍も起こり、日本国内においても生活様式は大きく変わりました。
日々、最前線で治療に尽力されている医療従事者の皆様や、それを支えているご家族の皆様には心から敬意を表するとともに深く感謝を申し上げます。

技術広報の立場としてもこの影響は大きく、カンファレンスなどの対外発表機会や協賛機会に代わる PR 手法を暗中模索している最中です。
また、IT 技術とともにエンターテイメント産業に関わる組織としては、エンターテイメントのデジタル化の推進によって、今まで以上に世の中にエンターテイメントをお届けする必要性を強く感じています。
そんな中、従前より観測している指標に関しては今年もなんとか維持・伸長できており、ひとえに運営メンバーの力あってこその賜物かなと思っています。(マジおつかれ!)

変化への柔軟さが求められている今、技術広報としても何か発明的なアプローチを生み出す契機と捉えて来年に臨みたいと思います。
本年も TID にお付き合いいただきありがとうございました。

アドベントカレンダーはまだまだ続きますのでお見逃しなく!
明日は尾﨑春菜さんの「あとのせサクサクでイラストの魅力をマシマシにするアニメーションメイキング」です!


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